ブックガイド『目でみる妊娠と出産』

更新日: 2013年12月20日

編著 馬場一憲編
出版 文光堂、2013.09
定価 3,990円(本体 3,800円)
ISBN 978-4-8306-3122-1

本書の構成は、次の通りである。
[目次]
第1部「胎児・新生児」
第1章:正常
第2章:異常
第2部「母体」
第1章:妊娠・産褥の正常経過
第2章:妊娠・産褥の異常
第3章:偶発合併症
第3部「分娩」
第1章:正常分娩
第2章:分娩時の異常
第3章:産科処置・手術
[付録]

私が初めてこの本を見かけたのは、地方での学会会場にあった書籍コーナーだった。「目でみる」というところが何故か気になり、手に取ってみたところ、写真や図が多くて驚愕。私が看護・助産師の勉強をしていた頃にはお目にかかれなかった鮮やかなイラストや画像で、視聴覚に訴えてくる感じ。「こんな本があったら、勉強しやすかったかも」と思ったのが第一印象だった。

実際に見てみると、妊娠・出産と新生児にまつわる内容が広く網羅されており、かつ正常・異常の両方が書かれている。一つひとつの内容は簡潔で分かりやすく述べられ、理解しやすい。学生や臨床を初めてやり始めた人たちの周産期の導入としてお勧めである。

第1部「胎児・新生児」では、受精から出生して新生児までの発育・発達が写真と図入りで説明されており、よりリアルに生命誕生の神秘が感じられる。また異常妊娠、胎児・胎児付属物の異常、診断・検査法についても幅広く書かれていて、分かりやすかった。胎児心拍モニタリングやNCPR新生児蘇生法に至るまで触れられており、周産期の基本的知識の習得に大変役立つであろう。
第2部「母体」では、妊娠期・産褥期の正常・異常が書かれている。正常の項では妊娠経過の中での母体の変化が簡潔に述べられ、妊婦に対して出産準備教育を行う際に必須の知識である。
第3部「分娩」においては、陣痛発来とその進行について述べられており、産科に関わる方々には必須の知識が数多く、ぜひ読んで欲しいと思う。また、分娩時の異常や産科処置・手術についても書かれているので、産科で働く基本的知識として理解しておきたい。

産科の知識は幅広く、専門的な書が多いため、初心者には難しい内容のものがたくさんある。私が助産師として働き始めた頃にも、読んではみるもののチンプンカンプンということが多々あった。何度も述べているが、本書は産科で働くスタッフにとって必須の基本的知識が写真・図入りで説明されていて付録も充実しているので、ファーストステップとして是非、知識向上に役立てていかれると良いと思う。