ブックガイド『家族支援と子育て支援-ファミリーソーシャルワークの方法と実践-』

更新日: 2013年12月18日

編著 相澤仁、宮島清編
出版 明石書店、2013
定価 本体2,400円+税
ISBN 9784750338873

「やさしくわかる社会的養護シリーズ」の第5巻である。全7巻で構成される同シリーズは第1巻が総論、2~7巻が各論編である。読者には、里親、ファミリーホーム、児童福祉施設等の従事者、社会的養護を学ぶ学生、あるいは施設ボランティア始めようと考えている人等を想定している。
第5巻では、編者である宮島が「理論と実践との協働」を念頭に、『真に「役に立つ」もの』を目指した結果、研究者と現場実務者合わせて30人が執筆にあたっている。それゆえ本書は、基本的な知識や必要事項を網羅的に押さえながらも、最新の活きた実践や事例が豊富に示されており、実践で役立つ多くのヒントに触れることができる。また、「社会的養護と母子家庭・女性の福祉、精神疾患・障害を持つ人への援助」について着目した点も特徴の一つであろう。

全16章のテーマは以下のとおりである。
第1章「社会的養護における家族支援の意義と課題」、第2章「家族論と家族を支援するための基礎知識」、第3章「家族のアセスメントと支援計画」、第4章「児童福祉施設における子どものケアと家族支援」、第5章「家族療法」、第6章「虐待ケースにおける家族支援プログラム」、第7章「家族支援の基本と展開過程」、第8章「通所による家族支援」、第9章「家庭支援(家庭環境調整)における児童相談所と児童福祉施設の協働」、第10章「社会的養護における家族面接」、第11章「精神障害のある保護者への支援」、第12章「家族再統合を考えた支援」、第13章「ひとり親家庭への支援とソーシャルワーク」、第14章「地域・市町村における家族支援・子育て支援・里親・施設との連携」、第15章「里親養育と地域社会との関係」、第16章「社会的養護をつなぐソーシャルワーク」となっている。

上記にみられるように、社会的養護における家族支援と子育て支援といってもその内容は多岐に渡る。しかし、本書では、子どもが置かれる状況や場面を細かく想定して支援者として求められる対応を一つひとつ丁寧に取り上げている。たとえば第10章「社会的養護における家族面接」では、施設入所の決定時や入所当日の面接場面における子ども、家族、支援者の思いをそれぞれ具体的に提示して、すりあわせの大切さを示したり、面会、電話対応、家庭訪問における意義と注意すべきことなどを順に追って理解できるようになっている。
コラムも各章を補いつつ、現状の課題や新たな方向性などが紹介されており、興味深い。初学者の学びはもちろん、実務者がより良い支援を目指すための一冊といえよう。