ブックガイド「すごいぞ!ぼくらのからだ」シリーズ

更新日: 2013年12月10日

編著 中川ひろたか文、藤本ともひこ・絵
出版 保育社/2013年7月
定価 1,260円(税込)
ISBN 9784586085262

編著 中川ひろたか作、斉藤美春・写真
出版 保育社/2013年7月
定価 1,260円(税込)
ISBN 9784586085248

第1弾『たべものたべたら』中川ひろたか文、藤本ともひこ・絵、2013
第2弾『ぼくの手わたしの手』中川ひろたか作、斉藤美春・写真、2013

「すごいぞ!ぼくらのからだ」シリーズ(全第6弾)は、医療専門書を出版するメディカ出版(本シリーズの出版社の親会社)の女性社員6名のプロジェクトチームが企画立案し、絵本作家、写真家たちのコラボレーションでつくられたものです。
女性社員たちが、日ごろ医療専門書を出版するなかで培ってきた知識を活かして、未来を担う子どもたちに向けた本をつくりたいという思いから、“からだ”について子どものたちにわかる表現で楽しく伝えることを企画した、という点に興味を引かれました。
第1弾は何とも楽しく愉快で元気な絵を用いて、第2弾はモノクロの写真を用いて、“からだ”を表現しています。本に込められた企画者・作者たちの子どもたちへの思いが強く伝わってきました。その感動を多くの方に味わっていただきたいと思い、ここに紹介します。

第1弾『たべものたべたら』は、「きのう たべた とうもろこしが きょう うんこにでてきたんだよ どうしてかな? たべもの たべたら どこへ いくんだろう」という主人公の男の子の素朴な疑問からはじまります。子どもたちが普段の生活で体験することを通じて、たべものが口から入って肛門から出るまでを、個性豊かな登場人物がユーモアを交えてとてもわかりやすく解説してくれます。人が体に悪い食べ物を食べたときに吐いたり下痢をしたりすることや、舌や歯の役割、食道の働きや小腸と大腸の働きの違いなどについても取り上げて、からだの“すごさ”に気づかせてくれます。
あとがきの「おうちのかたへ」のところには、幼稚園や学校でうんこをがまんして便秘になる子どもが増えていることにふれて、「自分のからだに思いをはせることで、“気持ちよくうんこが出せるってすばらしい”と思ってもらえるとうれしいです。」と書かれています。子どもたちは、きっとそのように思うのではないかと思いました。

第2弾『ぼくの手わたしの手』は、作者の中川氏のあとがきによると、「手を写真で」と長年(30年以上)温めてこられ、ようやく形に表されたものだそうです。
「手」「あそぶ手」「つかう手」「つくる手」「話す手」「よむ手」「かなでる手」「みせる手」「つたえる手」「いのる手」「つつむ手」「「ぼくの手 わたしの手」モノクロの写真にこれらの名前が添えられた写真集です。自分もこのようなたくさんの手をもっているのだと気づかせてくれるとともに、人間の手のすばらしさに気づかせてくれました。また、写真には人間だけでなく、ゴリラが鼻をほじる手や、招き猫の手、マネキンやロボットの手などもあり、作者のすばらしいウイットやセンスが光っています。
どのページも見るたびに新たな発見があり、新たな感覚を味わうことができる写真集だと思います。たとえば、私は、「つつむ手」のページを最初に開いたときは、お母さんがおっぱいを飲む赤ちゃんをやさしく「つつむ手」に、赤ちゃんに対する愛情とともにお母さん自身の幸福感が伝わってきました。そして、次に開いたときには、赤ちゃんが、「私のおっぱい」と言わんばかりに、おっぱいを「つつむ(小さな)手」に、赤ちゃんとお母さんの一体感が伝わってきました。
子どもたちと写真を見ながらお話をしてみるといろいろな発見があるのではないでしょうか。ぜひ手に取って見ていただきたい一冊だと思います。

ちなみに、第3弾「ほね・ホネ・がいこつ!」もすでに出版されています。第4弾「あしってエライ!」は2013年12月刊行予定、続いて第5弾「こころとしんぞう」(仮)が刊行される予定のようです。